葬儀イメージ

「自分の死」についてどこまで考えたことがありますか?「終活」や「エンディングノート」などと言った、自身の死やこれまでの人生(自分史)、これからの人生について考えるものがあります。自分の死と向きあい、最期の時に自身の想いが反映できるようにするため、考えておかなければならないことの一部をご紹介します。



【もくじ】
・終活とエンディングノート
・生前契約
・生前葬
・尊厳死と安楽死
・まとめ
 

終活とエンディングノート

超高齢社会の中、自身の終焉を考える方が増え、「終活」という言葉が生まれました。それに伴い、葬儀に対する希望や、家族との思い出などを書き残すための「エンディングノート」なども出てきました。終末期を迎える段階になると、判断力や意思疎通能力が低下する心配があり、元気なうちに終活やエンディングノートの作成に取り組まれる方が年々増えています。エンディングノートは、有料のものから無料のものまで様々ですが、主な構成内容は「生い立ち」、「家族との思い出」、「病気になった際の延命措置」、「介護が必要になった際の希望」、「葬儀について」、「財産や相続の考え方」、「家系図」、「写真貼付欄」、「アドレス記入欄」などがあります。しかし、ここに記載されたことは遺言のような法的効力はありません。

エンディングノート見本

生前契約

これまでタブーとされてきた葬儀の事前相談が一般的になり、様々な葬儀の生前契約も出ています。生前契約の代表的なものに互助会がありますが、互助会は相互扶助を理念とした会員組織です。毎月一定金額を積み立て、会員は結婚式またはお葬式のどちらかに利用します。他には、入会金方式の会員制度を取っている葬儀社もあります。これは5,000円~30,000円程度の入会金を支払って会員になると、万一の際、葬儀利用時に祭壇などの割引が受けられるものです。サービスの内容やセットに含まれる項目、プランの料金は各社異なりますので、契約に際しては内容をよく確認することが必要です。
 

生前葬

2018年5月、大手建設会社の元社長が生前葬を行って話題になりました。生前葬は自分が元気なうちに、縁のあった方やお世話になった方々を招いて感謝の気持ちを伝えるために行われます。通常の葬儀では、故人への弔意や感謝のみとなりますが、生前葬では本人が存命であるため、参加者へ直接感謝の想いを伝えることができ、本人と参加者が互いに想いや感謝を交わせる式を行うことができます。生前葬の内容には決まりがないため、宗教色を出さないものや立食パーティーなど様々ですが、芸能人や著名な方の開催が多くみられます。また、生前葬を行った本人の死亡後に、遺族が通常の葬儀を行っているケースもありますので、生前葬を検討する際は逝く人の想いだけでなく、残される家族の気持ちも考慮することが大切です。
 

尊厳死と安楽死

終活の中には、亡くなった後のことだけでなく、亡くなり方も考える項目があります。亡くなり方を考える中で出てきたのが尊厳死と安楽死です。
 
尊厳死
尊厳死とは医療器具による過剰な延命措置をせず、自然に死を迎えさせることです。「回復の見込みのない末期状態の患者が延命措置中止の意志を持っている場合には、延命措置を中止しても違法とはならないと考えるべき」(横浜地判平成7年3月)という尊厳死を認める判例があります。自身の尊厳死を認めてもらうためには、生前の意思(リビング・ウィル)をはっきりさせておく必要があります。
 
安楽死
安楽死は死期が迫った患者に対して、致死量の薬剤を投与したり(積極的安楽死)、苦痛緩和剤の多量投与によって死期を早めること(間接的安楽死)をいいます。平成7年3月、東海大安楽死事件で次の4要件を満たせば積極的安楽死は認められるという判決がありました。

① 患者が耐えがたい肉体的苦痛に苦しんでいること
② 患者の死期が迫っていること
③ 患者の肉体的苦痛を緩和・除去するために方法を尽くしほかに代替手段がないこと
④ 生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があること(間接的安楽死の場合は患者の推定的意思でも足りる)

しかし、東海大安楽死事件では被告人の医師には有罪判決が出ており、これまで日本で安楽死が認められた判例はありません。
 

まとめ

終活という言葉が聞かれるようになって10年ほど経ちます。自身の死に向き合うことは決してネガティブなことではなく、むしろポジティブな人ほど終活に力を入れているように見受けられます。葬儀に対して備えるだけでなく、自分自身がどう逝くのかを考えておくことが、これからどう生きていくのかを考えることにつながってきます。また、自分で考えておくとともに、家族ときちんと話しをすることも大切です。