2023年 02月 03日(金)
相続手続のはじめかた
2023年12月19日更新。この記事では、儀式サービス制度発足30周年を記念して行われたオンラインセミナーについて、レポートします。○予定があり出席できなかった方○悩んだ末に申し込みしなかった方は、ぜひご参考ください。レポートの第2回目となる今回は相続手続がテーマです。「相続手続のはじめかた」と題して、NCPグループ 正木博 司法書士にお話を伺いました。相続手続をはじめるにあたり、知っておくと良いことを紹介します。 NCPグループ(株式会社NCP相続センター)について オンラインセミナーの概要 第1回:遺品整理のレポート 【もくじ】 1相続手続には期限付きのものがある 2相続手続の3つのステップ ①早めに終わらせるべき手続き ②落ち着いたら行う手続き ③財産関係の手続き 3専門家に頼むことが多い手続き ①主な内容 ②戸籍の収集 ③相続税の申告 ④不動産の名義変更 ⑤補足:不動産の手続きの注意点 4まとめ:お困りの際は全国儀式サービスへ 1.相続手続には期限付きのものがある 実は葬儀後にも行うことはたくさんあり、しかも家族を失った悲しみの中で進めていかなければなりません。相続手続もその一つ。他のことと並行して進めると共に、専門的な内容を一から調べる必要もあるため、実際に行った人は「こんなに大変だとは思わなかった」と、みんな口を揃えて言うそうです。 <葬儀後に行うことの一例> ○弔問の対応○故人様の供養(四十九日法要、納骨等)○各種手続き○相続の手続きなど <落ち着いたら行う手続き 財産関係について> ○遺言書の有無の確認○遺言書の検認の申立○相続人の調査(戸籍謄本の取得)○相続財産の把握○遺産分割協議の実施○相続するか放棄するかの決定○相続放棄の手続き ※3ヶ月以内○準確定申告 ※4ヶ月以内○遺産分割協議書の作成○不動産の名義変更・金融資産の解約・名義変更○相続税の申告および納税 ※10ヶ月以内など もくじに戻る 2.相続手続の3つのステップ ①早めに終わらせるべき手続き ②落ち着いたら行う手続き ③財産関係の手続き ①早めに終わらせるべき手続き 行政の手続きが主になるそうです。亡くなったことによる資格喪失の手続きが多くを占めています。○社会保険の資格喪失届(5日以内)○国民健康保険の喪失届(14日以内)○介護保険の資格喪失届(14日以内)○世帯主変更(14日以内)○年金受給停止の連絡(14日以内を目安に)など遅れたことによる罰則はありませんが、1か月以内には済ませておいた方が良いそうです。 ②落ち着いたら行う手続き 公共料金および契約関係の手続きが主になるそうです。 <公共料金・契約関係の手続き> ○電気・ガス・水道○電話○インターネット○NHK○クレジットカード○生命保険など <行政関係の手続き> ○高額医療費の払戻申請○運転免許の返納○遺族基礎年金 ※1○遺族厚生年金 ※1○未支給年金の受給 ※2など※1:手続きが済むのに3~4か月かかるので、なるべく早く行う。※2:生計を同一としていた人が請求できる。お亡くなりになった月の分まで満額で支給してもらえる。 ③財産関係の手続き 事前準備として、以下の項目の有無を確認しておくと良いそうです。 <有無を確認しておく項目> ○遺言書 ・自筆証書遺言:検認の申し立てを行う。 ・公正証書遺言:遺言執行者または公証役場に問い合わせる。○債務 ・相続の対象となることを知っておく。○不動産 ・所有する不動産を把握する。 ・把握できない不動産は、自治体に名寄帳(なよせちょう)を請求して確認する。○預貯金 ・通帳などの手がかりを探す。 ・近くの金融機関を訪ねる。○有価証券 ・運用実績のお知らせ(1年に2回)で確認する。 ・株式保管機構で調べる。○その他(生命保険など) ・生命保険は生命保険協会に照会をかける。 もくじに戻る 3専門家に頼むことが多い手続き ①主な内容 ②戸籍の収集 ③相続税の申告 ④不動産の名義変更 ⑤補足:不動産の手続きの注意点 ①主な内容 窓口が平日の限られた時間でしか対応していない場合や、手続きが煩雑な場合の依頼が多いそうです。 <一例> ○預貯金の解約○不動産の名義変更○有価証券の名義変更○自動車の名義変更 ②戸籍の収集 相続手続で何かと必要になる一方で、収集するのに苦労している場合が多いそうです。 <戸籍の収集について> ○相続手続を行うにあたり、お亡くなりになった方の「出生から死亡まで」のすべての戸籍を集める必要がある。※戸籍は、本籍地ごとに管理されています。結婚・離婚・転籍を理由に新しく編成されるため、1か所でなく、いくつかの市区町村に渡っていることの方が一般的です。まず、死亡した方の現在の本籍地の市区町村に、除籍謄本を請求して取り寄せます。この除籍謄本に、一つ前の本籍地がどこか記載されているので、その市町村へ戸籍謄本を請求して取り寄せます。請求した戸籍謄本に、さらに前の本籍地が記載されている場合には、その市区町村(死亡時から二つ前の本籍地)へ戸籍謄本を請求して取り寄せます。こうして次々と時期を溯って戸籍謄本の請求を行い、出生当時の戸籍まで入手ができたら「出生~死亡まで」の戸籍がすべて揃ったことになります。戸籍は、該当する自治体の窓口で請求するか、郵送で取り寄せることになります。自治体によりますが、郵送の場合は手元に届くまで2週間かかるケースもありますので注意してください。 ③相続税の申告 被相続人の死亡後10か月以内に行わなければなりませんが、時間がない一方で、手間ひまが掛かるため、依頼が多いそうです。 <相続税の申告が必要か確認する計算式> A+B < 課税対象の財産金額A:基礎控除額3,000万円B:法定相続人の数×600万円 <課税対象となる財産の金額> C+D+E-F-G = 課税対象の財産金額C:相続財産D:みなし相続財産E:故人からの贈与F:債務G:葬儀費 ④不動産の名義変更 一部でも持ち分がある場合は、不動産の名義変更を行ってください。登記手続きは法務局で行います。亡くなった人の出生~死亡までの戸籍だけでなく、相続人全員の印鑑証明や、戸籍謄本、相続する人の住民票等、様々な書類が必要です。そのほかにも、申請書や遺産分割協議書(※)といった専門的な書類を作成する必要があります。このように、手続きが煩雑ですので相続を専門とする司法書士に依頼する方がほとんどです。※遺言書に基づいて手続きする場合は不要 ⑤補足:不動産の手続きの注意点 2024年4月1日より相続登記が義務化され、現時点で名義変更していない不動産も対象となるので、注意しておいた方が良いそうです。 <相続登記の義務化について> ○相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に名義変更しないと、10万円以下の過料対象となる。○住所変更した場合も、不動産登記することが義務となる。2年以内に手続きをしなければ、5万円以下の過料対象となる。※相続人の間で争い等があって、3年以内に名義変更できない場合は、相続人の申告登記をする(自分が相続人の一人であることを伝える)と良いらしいです。 もくじに戻る 4まとめ:お困りの際は全国儀式サービスへ 医者に内科や外科など専門領域があるのと同じように、司法書士・行政書士・税理士にも専門領域があります。相続手続を依頼する場合は、相続手続を専門とする司法書士・行政書士・税理士に依頼するのが安心です。自分で行う場合も、分からなくなった時に相談できる所があると安心です。全国儀式サービスの「家族のための相続手続」では、相続の専門家集団であるNCP相続センターが、あなたの相続手続を担当、相続手続を代行・支援いたします。<サービスの特徴>○相続に特化した専門家が担当○相談・面談は無料。土日祝日も対応○日本全国で対応が可能○依頼窓口の一本化が可能なお、今後もセミナーを開催する予定です。気になった方は、次回ぜひご参加ください。また個別でのご相談も承っております。お急ぎの方は、全国儀式サービスコールセンターへお電話ください。相続手続のご相談はこちら 家族のための相続手続 第1回:遺品整理のレポートを見る