2025年 12月 24日(水)
相続手続 お悩み相談室 Vol.2|相続放棄とは?借金がある場合の対処法と期限
相続手続 お悩み相談室 Vol.2|相続放棄とは?借金がある場合の対処法と期限 「親に借金があったらどうしよう…」「督促状が届いてしまった」 相続の相談で最も多い不安の一つが“借金の相続”です。ですが、法律では「借金を相続しない選択=相続放棄」が認められています。 この記事では、相続放棄の流れ・期限・注意点などを詳しく解説します。 【今回の先生】 氏名:司法書士 正木 博先生(NCPグループ) 好きなもの:もつ煮 趣味:キャンプ 【相談者】 40代女性。父の荷物から借金の督促状を見つけて不安に…。 ▼ 目次相続放棄とは“プラスもマイナスも引き継がない”手続き相続放棄の期限はたった3ヶ月限定承認という選択肢も相続放棄でよくある失敗と注意点まとめ:相続する時に借金が心配なら“すぐ相談” 相続放棄とは“プラスもマイナスも引き継がない”手続き 相続放棄とは…財産も負債も一切受け取らないという選択。 相続が発生したとき、「財産だけでなく借金も相続する」と聞いて、不安になる方は少なくありません。 そんなときに知っておきたいのが、相続放棄という制度です。 【重要】 相続放棄すると“最初から相続人でなかった扱い”になります。 ・借金の返済義務は負わない ・財産を受け取ることもできない 相続放棄の期限はたった3ヶ月 相続放棄の申し立てには期限があります。 死亡を知った日から3ヶ月以内という短い期間で必要書類を揃えたりその間に起こりがちな失敗も実はあります。 【やるべきこと】 ・借金の有無を確認 ・財産を調査 ・専門家へ相談 葬儀後の3ヶ月は意外とすぐ経ちます。“先延ばし”が最大のリスクです。 色々な対応に追われている中での選択は、適切な判断ができない場合もあるため事前に把握ができれば良いですが、難しい場合のことの方が多いと思います。 限定承認という選択肢も 限定承認とは…財産と借金を相殺し、プラスがあれば受け取れる制度です。 相続財産 > 借金 差額は相続人のもの相続財産 < 借金 足りない分は支払わなくてよい 自分の資産を使ってまで借金を返す必要がない点が大きな特徴です。 【使われるケース】 ・借金の額が不明 ・プラス財産が多い ・不動産を残したい 限定承認の注意点 ● 相続人全員で行う必要がある 一人だけ限定承認、ということはできません。相続人全員の同意が必要です。 ● 期限は「相続を知ってから3か月以内」 相続放棄と同じく、家庭裁判所への申立て期限があります。 ● 手続きが複雑 財産目録の作成や、債権者への対応、税金面に注意するなど、専門的な手続きが多く、負担が大きいのが実情です。 把握していなかった財産があることも少なくありません。不安な場合には早めに相続の専門家に相談をしましょう。 相続放棄でよくある失敗と注意点 【よくある失敗例】 ・勝手に財産を使ってしまう ・車を名義変更してしまう ・借金を返してしまった これらは「相続を承認した」と見なされ、相続放棄できなくなる恐れがあります。 “そんなつもりはなかった”となる前に、まずは財産の把握から始め、 失敗を防ぎながら手続きを進めていきましょう。 まとめ:相続する時に借金が心配なら“すぐ相談” 相続放棄は期限との戦いです。不安な場合は迷わず専門家へ相談しましょう。 相続方法の比較表 相続方法 プラスの財産 借金・負債 主な特徴 相続 放棄 受け取らない 引き継がない 最初から相続人でなかった扱い借金が明らかに多い場合に有効 限定 承認 受け取れる 財産の範囲内のみ支払う 借金が不明な場合に有効相続人全員の同意が必要 単純 承認 すべて受け取る すべて引き継ぐ 特別な手続き不要借金があると自己負担のリスク どの相続方法を選ぶかで、その後の負担やリスクは大きく変わります。判断に迷う場合は、期限が来る前に専門家へ相談することが大切です。 相続の不安をそのままにしていませんか?専門家があなたの状況に合わせて丁寧にサポートします。 ▶ お問い合わせはこちら【通話無料】0120-204-122