樹木葬メインイメージ

2023年12月19日更新。

「自分が死んだら遺骨は海に散骨して欲しい」と考えている人は意外と多いかもしれません。子供がいないなど、お墓の継承者がいない場合は形が残らないものを望む傾向にあります。そこで注目されている散骨や、合祀墓や合葬墓としての共同墓地とは実際どのようなものなのでしょうか?
 
 
【もくじ】
・変化する葬法
・散骨をするには
・樹木葬とは
 
 

変化する葬法

遺体を葬る方法のことを葬法といいます。今日の日本では火葬が一般的ですが、古くは風葬や土葬、水葬なども行われていました。風葬は遺体を棺に納めずに地上に置き風化させるものです。日本では沖縄離島などで近年まで行われていました。土葬は棺を土中に埋葬します。一般的な葬法として昭和の初期頃まで行われていましたが、衛生面の問題から火葬場の整備が進む中で無くなっていきました。水葬は遺体を川や海などに沈める葬法で、日本では法律上認められていませんが、例外として船舶の航海中に船内の人間が死亡した場合には船長の権限で水葬を行うことができます。
近年では樹木を墓標とする樹木葬や、遺骨の一部をカプセルに収めて衛星ロケットで打ち上げる宇宙葬など新しい葬法も出てきていますが、いずれも火葬をした上での葬法になります。
 

散骨をするには

火葬後に拾骨し、遺骨をお墓に納めることを納骨といいますが、昔は拾骨をせずに遺骨を放置や投棄したりをする方法が一部の地域にみられました。現在は、墓地埋葬法のもとに遺骨(お墓)が管理されており、遺骨を放置や投棄することはできません。しかし、少子化や都市部への人口集中などに伴うお墓の継承問題や、宗教観の多様化などによってお墓の在り方が変化してきました。そして、新たな自然葬の一つとして「散骨」という供養が生まれました。自然葬に関する法律が存在していないため、散骨は法的にグレーな部分がありますが違法行為ではありません。散骨を行うには、①遺骨を粉末の状態にする ②撒く際には周囲の環境に配慮する、などが必要です。さらに、散骨をするにあたり注意しなければならない点として、一度撒いた遺骨は戻ってきませんので、海へのロマンチシズムや自然回帰などの観点だけで決めるのではなく、後々の供養の考え方なども含め、家族の理解も必要ですので事前にしっかり話し合いをしておきましょう。実際の散骨方法としては、船をチャーターして海に散骨する「海洋葬」などがあります。

散骨イメージ


樹木葬とは

一般的なお墓は、お寺や霊園に墓石を建立し、お墓の継承者を設けて供養をします。一方、樹木葬は墓石ではなく故人が好きだった木や花々などを墓標とし、その根元に穴を掘るなどして遺骨を埋葬します。自然志向や墓の継承者がいない人たちにより注目され始め、さらに一般的なお墓に比べて費用が抑えられることから最近、話題になっています。樹木葬は、墓地として許可が出ている土地の樹木に遺骨を埋葬するため散骨とは異なります。また、墓地(霊園)の管理費が必要になります。

樹木葬イメージ