喪中はがきイメージ

2023年12月19日更新。

人が亡くなり葬儀を終えた後も、遺族には「忌中」や「喪中」、「満中陰」などのしきたりがあります。よく耳にする言葉ですが、実際はどのようなものなので、何をしたら良いのでしょうか。ここでは基本的なことをご説明します。


【もくじ】
・忌日と満中陰
・喪中の期間と範囲

 

忌日と満中陰

仏教では故人が亡くなった日を命日や忌日(きにち/きじつ)といい、四十九日を満中陰(まんちゅういん)といいます。故人の魂は、死後七週にわたって「生」とも「死」ともつかない「中有(ちゅうう)・中陰(ちゅういん)」の状態に置かれ、この間、故人の魂は荒魂、つまり死という新しい環境に初めて入ったばかりの不安と緊張と動揺の中で、非常に不安定な状態になっています。そのため、適切な世話と指導が不可欠になり、遺族は故人の魂の世話に専念する特別猶予を社会から与えられます。それが「忌中」です。七日参り毎に、故人の冥福を祈るとともに、遺族も故人への執着を徐々に絶ちながら悲嘆を軽減していきます。
 

喪中の期間と範囲

「喪に服す」との言葉がありますが、かつては家族や親戚を失った遺族が悲しみや悲嘆から立ち直るために一定期間を喪中と定め、それを公にしていました。これは明治時代の太政官布告によるもので、昭和22年には撤廃されていますが、その時の慣習が今日まで残っています。それによると「父母と夫」を亡くした場合の喪中の期間が最も長く、1年間(13か月)とされています。「妻や子」は90日、「父方の祖父母」は150日、「母方の祖父母」は90日などとされていました。今日では社会生活の変化や、世代によっても意識に差がありますが、親等で関係性を見ると「夫・妻:0親等」、「父母・配偶者の父母・子供:1親等」、「自分の兄弟姉妹・兄弟姉妹の配偶者・祖父母・孫・配偶者の兄弟姉妹・兄弟姉妹の配偶者・配偶者の祖父母:2親等」となり、一般的には2親等までを喪中とすることが多いようです。

身内に不幸があった際には喪中はがきを出しますが、2親等はあくまでも目安とし、故人との関係の深さや同居の有無を考慮して判断します。また、送り先についてもこれまでのお付き合いや相手との関係性によって判断します。
 
年賀欠礼状(喪中はがき)
喪中は年賀状を出さないのがしきたりです。毎年出している相手には、12月10日ごろまでに届くように「年賀欠礼」のあいさつ状を出します。
最近は、故人との関係が2親等以上(祖父母・兄弟姉妹・孫)で別所帯の場合は、例年通りに年賀状を出すこともあるようです。「年賀欠礼状」を出さずに年賀状を受け取った場合は、寒中見舞いを兼ねて喪中であることを書き添えます。

見本パターン①

喪中はがき見本1

見本パターン②

喪中はがき見本2