危篤時のお見舞い

2023年12月19日更新。

あなたの知人・友人等が、病状の悪化や事故などで危篤状態になり、身内の方から「もう危ないので、顔を見てやってほしい」「面会に来てほしい」と連絡を受けたとします。

危篤者の方が、万一の時はあなたに来て欲しいと事前にご家族へ頼んでいたのかもしれません。
あるいはご家族があなたの顔を思い浮かべ、ぜひにと思われたのかもしれません。

この記事では、危篤連絡への対応方法、面会に伺う場合のマナー、かける言葉等についてご説明します。


なお、「ご自身が危篤者の家族」の方は、こちらの記事をご覧ください。
危篤とは?病院から家族の危篤連絡を受けたら?するべきことや考えておくこと

 
 
 
 
【もくじ】
1.危篤とは
 1-1危篤の意味
 
2.危篤の電話連絡を受けたら行うこと
 2-1要点を聞く
 2-2その場で返事をする
 2-3補足1:すぐに返事ができない場合
 2-4補足2:メールで連絡が来た場合への対応
 
3.お見舞いに行く際の服装
 3-1落ち着いた色で無地が好ましい
 3-2喪服はどうしたら良いか
 
4.お見舞いに行く際の持ち物
 4-1お見舞いの品やお見舞金は不要
 
5.お見舞い先での振る舞い
 5-1家族の指示に従う
 
6.お見舞い先でかける言葉
 6-1危篤の方の家族に対して
 6-2危篤の方(本人)に対して
 
7.メールで連絡が来た場合の対応
 7-1要点を確認する
 7-2返信する
 7-3メールの文例
 
8.よくある質問
 
9.まとめ:危篤の方のお見舞いには、できるだけ速やかに伺いましょう
 
 
 
 

1.危篤とは

1-1危篤の意味

「危篤」の読み方は、「きとく」です。

病状の悪化や事故等で命に危険が迫っており、回復が極めて困難と医師が判断した状態をいいます。

医師からご家族に「万が一のことを考えておいてください。親族や知人など会わせたい方をすぐにお呼びください。」のような言葉が告げられます。

通常、危篤状態になってからは、数時間から数日中にお亡くなりになることが多いようですので、非常に緊急性が高いと言えます。

 
 
<「危篤」と「重篤」の違い>

「危篤」は、命の危険がある状態で、「重篤(じゅうとく)」は病気やケガの状態が深刻な状態であることを言います。

「危篤」は「重篤」よりも切迫している状態を示します。

 
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2.危篤の電話連絡を受けたら行うこと

一刻を争う状態ですので、電話で連絡を受けることが多いと思います。

 

2-1要点を聞く

以下の点について確認をします。
①誰が危篤者なのか
②危篤者の状態
③入院先の病院名・住所・部屋番号
④面会の可否


※④について
昨今では、コロナ等感染症対策のため、対面が禁止されていたり、ごく身内のみで時間限定だったり等、様々な制限やルールのある医療機関が大半です。

このため、次のいずれかが考えられます。

◯面会可能なタイミングを連絡するので(自宅か病院で)待機しておいてほしい、との依頼。
◯(面会ができないので、対面してもらえないまま)亡くなる可能性を覚悟して欲しい、とのお知らせ

面会の可否と依頼内容をきちんと確認し、その後の対応を決定します。

 
 
 

2-2その場で返事をする

<面会に行く場合>

危篤は一刻を争う状況ですので、すぐに向かう旨を伝え、ただちに出発します。

できるだけ落ち着いて焦らず、速やかに移動しましょう。

 
 
<面会を依頼されても行けない場合>

遠方にいる、仕事、自身の病気などなんらかの事情で、どうしても面会に行けないこともあるでしょう。

その場合は、
①伺えないお詫び
②会えなくて残念な気持ち
③危篤者の回復を祈る気持ち
④ご家族への気遣い
を伝えましょう。

 
 
<面会を禁止されている場合>

この場合は、前項の②~④をお伝えしましょう。

 
 
 

2-3補足1:すぐに返事ができない場合

○自宅電話宛てに連絡を受けたが、面会を求められた本人が不在
○深夜で交通手段が確保できるかわからない
○遠方にいる
等の理由で、その場で返事ができない場合は、要点を伺っておきます。

後ほど決まり次第、速やかに返事をします。

 
 
 

2-4補足2:メールで連絡が来た場合への対応

最近では、メールで連絡をいただくことも少なくありません。

その場合は、メールで返信します(詳細は第7章を参照してください)。

 
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3.お見舞いに行く際の服装

3-1落ち着いた色で無地が好ましい

自宅にいる、あるいは速やかに自宅に戻れるのであれば、落ち着いた服装に着替えた方が良いです。

派手な服、露出の多い服は避けるといいでしょう。

しかし、駆け付けることが最優先なので、時間がない場合は、そのままの服装でもやむをえないと思われます。

 
 
 

3-2喪服はどうしたら良いか

遠方から移動する方は、もしもの葬儀に備え、喪服をどうしたらいいのか迷うかもしれません。

喪服を持参する場合はコインロッカーに預けたり、車の中で保管したり、ご家族の目に触れないようにしましょう。

レンタルするのも一つの方法です。

また、お亡くなりにはなっていないので、間違ってもお見舞いには着ていかないようにしましょう。

 
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4.お見舞いに行く際の持ち物

4-1お見舞いの品やお見舞金は不要

駆け付けることが最優先であると共に、「行くまでに用意していた」と思われないためにもお見舞いの品やお見舞金は不要です。

なお、都市部から地方へ行く場合は、現金を用意しておくと安心です。

キャッシュレス決済に対応していない所も地方では意外に多いです。

 
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5.お見舞い先での振る舞い

5-1家族の指示に従う

危篤という状態のため、一度に面会できる人数や時間が制限されている場合があります。

家族の指示に従い、静かに待ちます。

 
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6.お見舞い先でかける言葉

6-1危篤の方の家族に対して

危篤の方の対応で慌ただしい中、ご連絡を下さったご家族に寄り添う言葉をかけましょう。

あまり時間がないため、手短にお話します。

 

(例)
「大変な時にご連絡いただきありがとうございました。」

「貴重なお時間に、私にまで面会の機会をいただき、ありがとうございます。」

「奥様がそばにいてくださって何よりだと思います」

 
 
 

6-2危篤の方(本人)に対して

本人に意識はなくても、聴覚は比較的最後まで残るとも言われています。

耳元で言葉をかけてあげるといいでしょう。

もしかしたらこれが最後かもしれないと思うと、特に「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えたくなる方が多いようです。

 

(例)
「あなたに出会えて本当によかったよ。ありがとう。」

「おばさんのこと、大好きでした。いつも優しくしてくれて感謝しています。」

 
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7.メールで連絡が来た場合の対応

メールで連絡があった場合も2.危篤の電話連絡を受けたら行うことと基本的には同じです。

 
 

7-1要点を確認する

以下の点について確認をします(再掲)。
①誰が危篤者なのか
②危篤者の状態
③入院先の病院名・住所・部屋番号
④面会の可否

 
 
 

7-2返信する

メールで連絡をいただいた場合、電話ではなくメールで返信した方がいいと思われます。

先方が通話を禁止されているエリアにいる可能性があります。

いただいたメールの文面に合わせて臨機応変に対応しましょう。

 
 
 

7-3メールの文例

ご家族の時間を奪わないよう、簡潔な内容にします。

ただしメールは文字として残るので、打ち間違いや言葉には十分注意して送るようにしましょう。

 
 
<面会に行く場合>

「面会に伺います。××時頃に到着予定です。(指定の場所の)××に行きます。」

 
 
<面会の待機を依頼されている場合>

「承知しました。自宅で待機しますので、またご連絡ください。」

 
 
<面会を依頼されても行けない場合>

その場合は、以下の4点を組み合わせて送るようにしましょう。

①伺えないお詫び
②会えなくて残念な気持ち
③危篤者の回復を祈る気持ち
④ご家族への気遣い

 

①の例
「せっかくご連絡をいただききましたが、(例:遠方のため)面会に伺えず申し訳ございません。」

②の例
「(危篤者)さんにお会いしたかったのですが、残念でなりません。」

③の例
「(危篤者)さんのご回復を心から祈っております。」

④の例
「かけがえのない時間をご家族で大切にお過ごしください。 」

 
 
<面会を禁止されている場合>

前項の②~④をお伝えしましょう。

 
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8.よくある質問

Q:兄弟から親の危篤の知らせがありました。どうしたら良いでしょうか?

A:3つのことを行いましょう。
①職場に連絡してすぐに病院へ駆け付ける。
②家族として出来ることをしてあげる。
③もしもの際に備える。

ご自身が「危篤者の家族」の方は、こちらの記事をご覧ください。
危篤とは?病院から家族の危篤連絡を受けたら?するべきことや考えておくこと

 
 
 

Q:危篤の方のお見舞いに行きますが、もし臨終に間に合わなかった時はどのように対応したらいいでしょうか?

A:ご遺族にはお悔やみの言葉を述べ、何かお手伝いできることがあればさせていただく旨を伝えます。

亡くなって間もない時間であればお顔を拝見できることもあります。

通常、数時間以内には故人様を病院から搬出しなければなりませんので、タイミングによっては入れ違いになる可能性も考慮しましょう。

葬儀の詳細など今後については決まり次第のご連絡を依頼します。

 
 
 

Q:職場の上司、部下、あるいは友達が、家族の危篤のしらせを受けた場面では、どんな言葉をかけてあげるといいのでしょうか?

A:遠慮せずにその場を離れ、すぐに駆け付けるよう促してあげましょう。

「(仕事のことは気にしなくていいから)とにかく駆け付けてあげてください。」等。

特に、急な病気や事故の場合は、動揺していることが多いものです。

「焦っていると思いますが、できるだけ落ち着いてくださいね。」「運転に気を付けてくださいね。」の声掛けもいいでしょう。

 
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9.まとめ:危篤の方のお見舞いには、できるだけ速やかに伺いましょう

ここまで、知人・友人の危篤連絡があった際の対応、面会に伺う場合のマナー、かける言葉等についてご説明しました。

 
<ポイント>

◯危篤とは、いつ亡くなってもおかしくない状態。
◯連絡を受けたらその場で返事をする。できない場合は決まり次第速やかに。
◯落ち着いた服装が基本。
◯お見舞いの品、お金は不要。
◯お見舞い先では、面会ルールとご家族の指示に従う。
◯ご家族と危篤者に心を込めた言葉を伝える。
◯メールで連絡があった場合は、メールで返信する。

 

お見舞いを依頼された場合、できるだけ速やかに駆け付けましょう。
そして大切な方に、心からの思いを言葉にして伝えてあげましょう。