訃報連絡と葬儀のご案内

万が一の際には、親族を始め、関係各所に対して、亡くなったことや葬儀のことについて、連絡をしなければなりません。

家族を亡くした後の大変な悲しみの中で、情報を正確に伝えていくのは、実は負担の大きいことです。

そこでこの記事では、「いつ」「誰に」「何を」「どのように」伝えれば良いかを解説します。

ご臨終直後には行うことが数多くあるため、その負担を少しでも減らしていただければと思います。

 
 
 
 
【もくじ】
1.訃報連絡と葬儀のご案内
 1-1訃報連絡とは
 1-2葬儀のご案内とは
 1-3通知するタイミング
 
2.訃報連絡
 2-1連絡する人
 2-2連絡する相手
 2-3連絡する手段
 2-4連絡する内容
 2-5訃報連絡の文例
 
3.葬儀のご案内と併せた訃報連絡
 3-1連絡する人
 3-2連絡する相手
 3-3連絡する手段
 3-4連絡する内容
 3-5連絡の文例
 3-6連絡する際の注意点
 
4.葬儀後の訃報連絡
 
5.まとめ:伝える相手に配慮して速やかに連絡しましょう
 
 
 
 
 

1.訃報連絡と葬儀のご案内

 

1-1訃報連絡とは

家族が亡くなったことを知らせる連絡のことです。

家族が亡くなった後、すぐに知らせるのが基本です。

 
 
 
 

1-2葬儀のご案内とは

葬儀に関する内容を知らせる連絡のことです。

葬儀の日程などが決まってから、知らせます。

 
 
 
 

1-3通知するタイミング

病院で亡くなった後の流れを例にとると、以下のようになります。
訃報連絡は、相手によって通知するタイミングが異なります。

 
 
<お亡くなり直後>

■病院での対応
①お帰り先を決める
②葬儀社を手配する(搬送を依頼する)
③訃報連絡する
 伝える相手:親族・菩提寺・会社など
 ※詳細は、第2章で解説します。
④死亡診断書を受け取る
⑤故人様をお帰り先(安置先)へ搬送する

 

■お帰り先(自宅や斎場など)での対応
⑥故人様をお帰り先で安置・焼香する
⑦葬儀社と打ち合わせする
⑧葬儀のご案内と併せて訃報連絡する
 伝える相手:参列してほしい方
 ※詳細は、第3章で解説します。

 
 
 
<葬儀後>

⑨訃報連絡する
 伝える相手:葬儀にお呼びしなかった方
 ※詳細は、第4章で解説します。

 
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2.訃報連絡

 

2-1連絡する人

○喪主にあたる人
が中心となって行います。

喪主はご遺族の代表として葬儀を主催する責任者です。

喪主にあたる人が高齢などのために負担が大きい場合や、取り乱して連絡できる状態ではない場合には、家族または親族が代行して連絡します。

 
 
 
 

2-2連絡する相手

①家族(離れて暮らしている方)
②親族
③菩提寺(先祖の眠るお墓がある寺院)
④故人様の非常に親しかった友人・知人
⑤家族の勤務先・通学先
などが挙げられます。

 
 
<①家族 ②親族>

故人様の血縁関係が深い方から順に連絡していきます。
遠方にいる場合は、到着に時間が掛かるため、早く知らせる必要があります。

 
 
 
<③菩提寺>

葬儀(での読経)や戒名を依頼します。

葬儀社との打ち合わせで葬儀の日程を決める際に、僧侶のご都合が優先されるため、早い段階で連絡します。

 
 
 
<④故人様の非常に親しかった友人・知人>

葬儀の時に参列してほしい方となります。
ご遺族が把握している範囲で連絡します。

葬儀の内容が決まり次第、再度連絡することになるため、確実につながる連絡先を確認しておきましょう。

 
 
 
<⑤家族の勤務先・通学先>

忌引き休暇を取得するために連絡します。
後日に手続きが必要となる場合もあるので、確認しておきます。

連絡先としては、
勤務先:上司または総務
通学先:担任の先生
などが該当します。

 
 
 
 

2-3連絡する手段

○電話
○メール(電話がつながらない場合など)

できる限り早く伝える必要があるため、電話を使うことが一般的です。

近年、メールで連絡することも増えてきましたが、正式な方法として一般化されているとはいえません。そのため、目上の方には電話での連絡が好ましいでしょう。

またメールは相手の方が気づくまでに時間が掛かることも多々あります。その点にも留意しておきましょう。

 
 
 
 

2-4連絡する内容

○故人様が亡くなったこと

正確にわかっているのであれば日時も伝えます。
死因などは必ずしも伝える必要はありませんが、聞かれた場合は応えられる範囲で答えましょう。

 
 
 
 

2-5訃報連絡の文例

○○○○の長男の△△です。

かねてより病気療養中だった父が、先ほど息を引き取りました。

通夜・葬儀につきましては、日程が決まり次第追ってご連絡いたします。

父の遺体はいったん自宅へ連れて帰ります。
そこから葬儀の詳細の打ち合わせとなります。

なにかありましたら、私の携帯電話090-0000-0000までご連絡ください。

 
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3.葬儀のご案内と併せた訃報連絡

 

3-1連絡する人

○喪主
○遺族

葬儀に呼ぶ人の範囲が広い場合など、喪主の負担が大きくなる時は、遺族で分担します。また、葬儀に呼ぶ人と関係の深い方が連絡することも多いです。

その際は「本来は喪主から連絡を差し上げるべきところ」など、ことわりを入れるとより丁寧に伝わります。

分担をした場合は、基本となるメモを手元に置き、時間や場所(住所)が正確に伝わるようにします。

 
 
 
 

3-2連絡する相手

○親族
○故人様の知人・友人
○家族の知人・友人(会社関係なども含む)
○地域や近所にお住まいの方
などが挙げられます。

葬儀の打ち合わせの際に検討した「葬儀に呼ぶ人の範囲」に沿って、故人様との関係が深い方から順に、ご案内していきます。

葬儀に呼ぶ人の範囲が広い場合は、各お付き合いのあるグループの中で、代表者または中心人物となる人を選定し、その人に連絡して、広く知らせていただくように依頼します。

連絡漏れが出ないように、連絡する相手のリストを作成しておくと良いです。

 
 
 
 

3-3連絡する手段

○電話
○FAX
○メール
○ご案内状
が挙げられます。

 
 
<電話>

ご臨終から数日中に葬儀を行うケースが多いため、最も一般的な手段となっています。

例えば、亡くなった翌日に通夜、翌々日に葬儀・告別式を行う場合は、案内状を送っていては間に合いません。

 
 
 
<FAX>

会社関係などには、FAXで連絡をするケースもあります。

葬儀の日時だけでなく、斎場の住所・電話番号・地図なども掲載して送れるため、伝え間違いが少なく、良く利用されてきた方法です。

葬儀社が案内用紙を作成してくれることもあります。

 
 
 
<メール>

最近増えてきている手段です。

○電話がつながらない時
○広い範囲(会社関係・学校関係)に伝える時
など、必要に応じて活用します。

 
 
 
<ご案内状>

社葬や団体葬などの準備期間が十分にある場合などには、ご案内状できちんと通知します。

時間に多少の余裕があるとはいえ、相手の都合を考慮して、できる限り早く手元に届くように送ることが大切です。

 
 
 
 

3-4連絡する内容

以下6点になります。
情報を正確に伝えられるよう、心掛けます。
電話やメール、ご案内状の場合も、伝える内容に違いはありません。

○故人様のお名前・年齢
○逝去した日時・場所
○通夜、葬儀告別式の日程
○通夜、葬儀告別式の場所
 (名称、住所、電話番号、アクセスなど)
○宗教宗派
○喪主(名前・故人様との続柄・連絡先)


香典、供物を辞退する場合は、その旨も必ず伝えます。

 
 
 
 

3-5連絡の文例

<電話>

○○○○の長男の○○です。

かねてより病気療養中であった父が、
○月○日○時○分に病院で亡くなりました。

父の葬儀の日程が決まりましたので、お知らせいたします。

通夜は○月○日(○)の○時から、
葬儀・告別式は○月○日(○)の○時からです。

場所は共に○○斎場で行います。
住所は○○県○○市○○町0-0-0です。
電話番号は00-0000-0000です。
駐車場はございます。最寄り駅は○○駅です。

形式は仏教(○○宗)で行います。

喪主は長男の○○です。
電話番号(連絡先)は090-0000-0000です。

取り急ぎご連絡いたしました。
皆様にもよろしくお伝えください。

 
 
 
<FAX>

○○家 葬儀のご案内
父○○○○儀 かねてより病気療養中でございましたが
○月○日○時○分 永眠いたしました
ここに生前のご厚情を深謝し 謹んでご通知申し上げます
通夜および葬儀告別式は仏式にて左記の通り執り行います




日時
通夜式 令和○年○月○日(○) 午後○時から
葬儀告別式 令和○年○月○日(○) 午前○時から

場所
○○斎場
○○県○○市○○町0-0-0
電話00-0000-0000

令和○年○月○日
○○県○○市○○町0-0-0
喪主○○○○(続柄○○)

FAXでのご案内の例

 
 
 
<メール>

冒頭の挨拶:電話の文例
葬儀の詳細:FAXの文例
を活用して作成してください。

 
 
 
<ご案内状>

一般個人の葬儀では、ほとんど見られなくなりましたが、もし作成する場合にはFAXの文例を活用してください。

葬儀のご案内状の例

※ご案内状は、縦書きが一般的です。注意点につきましては、3-6をご確認ください。

 
 
 
 

3-6連絡する際の注意点

<句読点を使わない>

文章を区切る句読点は、「終わり」を連想させるため、冠婚葬祭のご案内状では、使用しないのが一般的です。

その代わりに、句読点が必要な部分には、スペースを入れる・改行する等して、読みやすい文章にします。

 
 
 
<忌み言葉を避ける>

忌み言葉とは、不幸や不吉なことを連想させるような言葉のことをいいます。

○死や苦と同音の言葉
 「死」「苦」「四」「九」など

○不幸・不吉なことを連想させる言葉
「迷う」「浮かばれない」

○重ね言葉
「追って」「続いて」「たびたび」など

 
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4.葬儀後の訃報連絡

 

○季節の手紙だけのやり取りだった方
○家族葬などで葬儀にお呼びしなかった方
等には、葬儀後に書面(ハガキなど)で伝えることが一般的です。

送るタイミングは四十九日法要(納骨)後が目安です。喪中はがき(年賀欠礼)で済ませる場合が多いです。

もともと葬儀にお呼びしていないため、葬儀後に弔問や香典・供物などで、相手に負担を掛けさせない配慮も含んでいます。

 
 
<文例>

喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます

去る○月○日に父○○○○が○○歳で永眠いたしました
ここに本年中に賜りましたご厚情を深謝申し上げますとともに
明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
皆様のご自愛を心よりお祈り申し上げます

令和○年十二月

〒000-0000
○○県○○市○○町0-0-0
電話 00-0000-0000
○○○○(名前)



※掲載の関係上、横書きにしております。実際の喪中はがき(年賀欠礼状)は、縦書きが一般的です。注意点につきましては、3-6をご確認ください。

喪中はがきの例

 
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5.まとめ:伝える相手に配慮して速やかに連絡しましょう

 
<訃報連絡>

●亡くなった直後に、亡くなった事実を知らせること。
●相手によって通知するタイミングが異なる。

 
 
 
<葬儀のご案内>

●葬儀の詳細が決まった後に、その内容を知らせること。
●参列してほしい方々に連絡する。

 
 

故人様と縁のあった方々への連絡となるため、「失礼の無いように行う」「葬儀の日程・場所は正確に伝える」ことが、大切です。

注意点やポイントを理解した上で、スムーズに対応しましょう。

 
 
 

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