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相続手続
2026年 02月 05日(木)

相続手続 お悩み相談室 Vol.3|相続登記義務化とは?

相続手続 お悩み相談室 Vol.3|相続登記義務化と名義変更放置のリスク

「実家の名義が亡くなった親のまま…」
「今は困っていないし、そのままでいいかな」

そんなふうに不動産の名義変更を後回しにしている方は少なくありません。
ですが、2024年4月からは「相続登記の義務化」がスタートし、放置には大きなリスクが生じるようになりました。

この記事では、相続登記義務化の内容や、名義変更を放置するリスク、そして具体的な手続きの流れについて分かりやすく解説します。

 

 

【今回の先生】

氏名:司法書士 正木 博先生(NCPグループ)

好きな動物:猫

好きな動物の好きなところ:気まぐれなところ

【相談者】

50代男性。現在も母が住んでいる実家の名義が父名義のまま。売る予定もなく、これまで名義変更をしてこなかったが、法改正を知り、手続き方法や放置のリスクについて不安を感じている。

 

 

そもそも「相続登記の義務化」ってなに?

 

まずは、2024年4月から始まった「相続登記の義務化」について整理しておきましょう。

【相続登記の義務化とは】

家の持ち主が亡くなったら、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に名義を書き換えなければならないというルールです。

・これまで任意だった相続登記が「義務」に変更
・正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料が科される可能性があります。

この背景には、日本全国で「所有者不明土地」が増えすぎてしまい、その面積が九州を超えるほどの社会問題になっていることがあります。

【義務化の3つのルール】

① 3年以内に申請が必要
相続を知った日から3年以内に登記しなければなりません。

② 過去の相続分も対象
2024年4月以前(昔)に亡くなった方の分も対象です。「昔のことだから」は通用しません。

③ 放置すると「過料」が発生
正当な理由なく放置した場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

名義変更を放置するとなぜ危険?

【名義放置の5つのデメリット】

① 相続人が指数関数的に増える

名義を変えないまま次の相続が発生すると、不動産は共有状態のまま次世代へ引き継がれます。親から子、子から孫へと世代をまたぐごとに、相続人は指数関数的に増えていきます。
10人以上の共有名義になることも珍しくなく、売却・解体には原則全員の同意が必要です。

② 売れない・使えない「負動産」になる

名義が故人のままでは、不動産は事実上“ロック”された状態です。
売却・賃貸・建て替え・担保設定が一切できず、維持費や固定資産税だけがかかり続ける負担の大きい資産になってしまいます。

③ 相続登記義務化によるリスク

2024年4月から相続登記は義務化され、正当な理由なく放置すると10万円以下の過料を科される可能性があります。
これは単なる罰則ではなく、「放置不動産が社会問題化している」ことの表れです。

④ 相続人が行方不明・認知症になる

時間が経てば、相続人の生活環境や健康状態も変わります。
連絡が取れない、あるいは認知症で判断能力がない相続人が一人でも出ると、家庭裁判所を通した手続きが必要になり、費用も期間も一気に増大します。

⑤ 次の世代への“負の相続”

名義を放置することは、問題を子どもや孫に丸投げしているのと同じです。
面識のない親族との交渉や複雑な権利関係の整理など、「自分の代で終わらせなかった」ことで家族の負担は確実に増えていきます。

ここまでお話ししてきたように、名義変更を放置しても“今すぐ生活に支障が出る”ことは少ないかもしれません。だからこそ、多くの方が「まだ大丈夫だろう」と判断してしまいます。

しかし実際には、時間が経てば経つほど、手続きは複雑になり、関わる人も増え、費用や精神的な負担も大きくなっていきます。

今すぐ家を売る予定がなくても、将来どうするか決まっていなくても、「名義だけをきちんと整えておく」ことは、家族を守るための最低限の備えです。

名義が整理されていれば、住み続けることも、売却することも、活用方法を考えることも可能になります。

 

具体的な相続登記の流れと「自分でもできる?」という疑問

 

【相続登記の4ステップと「個人の壁」】

① 相続人の確定(戸籍収集の壁)

亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を収集します。
昔の戸籍は手書きで解読が難しく、転籍が多いと全国から取り寄せる必要があり、ここだけで挫折してしまう方も多いです。

② 遺産分割協議(合意形成の壁)

相続人全員で話し合い、合意内容を記した「遺産分割協議書」を作成します。
遺産分割がまとまらないと、登記は一切進みません。法的に不備のない書類作成は、個人では非常にストレスがかかる作業です。

③ 必要書類の収集

印鑑証明書、住民票、固定資産評価証明書などを揃えます。
自治体ごとに取得方法や窓口が異なり、平日に何度も役所へ行く負担が生じることもあります。

④ 登記申請

不動産の登記申請書を作成し、法務局へ書類を提出、登録免許税を納めます。
書類に不備があると差し戻され、修正を繰り返すうちに時間だけが過ぎてしまうケースも少なくありません。

なぜ多くの方が途中で専門家に相談するのか

これら4つのステップは、一つひとつを見ると「自分でもできそう」に見えます。
しかし実際には、戸籍が想定以上に多かったり、相続人の関係性が複雑だったり、書類の書き方が分からず何度も法務局に足を運ぶことになったりと、少しずつ“見えない負担”が積み重なっていきます。

さらに、相続登記は「間違っていても誰かが教えてくれる」手続きではありません
その結果、
「途中まで自分で手続きを進めたけれど、やはり不安になって相談した」
「仕事や家族のことで時間が取れず、専門家に任せた」
という方が多いのが現実です。

 

まとめ:専門家に相談する意味

相談するメリット

● 現状のリスクを整理できる

相続人の範囲や不動産の状況、今後の暮らし方を踏まえて、「今すぐやるべきこと」と「今は決めなくていいこと」を切り分けることができます。

● 戸籍収集や書類作成を一括で任せられる

複雑な戸籍収集や法的に不備のない書類作成を専門家が代行することで、時間的・精神的な負担を大きく軽減できます。

● 将来のトラブルや“負の相続”を防げる

名義変更を早めに済ませておくことで、将来の相続トラブルや、子ども・孫への過度な負担を防ぐことにつながります。

名義変更を先延ばしにすることは、“将来の負担”を大きくすることでもあります。
早めに専門家へ相談し、確実に・早く・ラクに対処する選択を検討してみてください。

 

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