知らずに損をしないために|今すぐできる空家管理のチェック方法

はじめに
「実家が空いたまま何年も経ってしまった」「たまに見に行っているけど、特に何もしていない」
——そんな方は、今すぐこの記事を読んでください。
2023年の空家等対策特別措置法の改正により、「管理不全空家」という新たな区分が設けられました。これに指定されると、これまで土地にかかっていた固定資産税の優遇措置が外れ、最大6倍の税負担になる可能性があります。「うちの空家は大丈夫だろう」と思っている方こそ、一度立ち止まって確認してみてください。
そもそも、なぜ「空家の法律」ができたのか?
空家問題が社会的に深刻化したのは、ここ10〜20年のことです。総務省の調査によれば、全国の空家数は約900万戸 (出典:総務省「2023年住宅・土地統計調査」)を超え、住宅全体に占める割合は約13.8%にのぼります。
放置された空家は、単なる「使われていない建物」にとどまりません。 老朽化による倒壊リスク、害虫・害獣の巣窟化、ゴミの不法投棄や不審者の侵入、さらには火災時の近隣への延焼リスクなど、周辺住民の生活環境を脅かす存在になります。
こうした状況を受け、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)」が施行されました。そして2023年の改正で、従来の「特定空家(すでに危険な状態の空家)」に加えて、「管理不全空家*」が新設されました。
*管理不全空家=適切な管理が行われていないことにより、そのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある空家等のこと
つまり、「まだ危険ではないが、放っておくと危なくなる空家」に対しても、行政が早めに介入できる仕組みが整ったのです。
実際に勧告を受ける空家って、どのレベル?
「勧告を受けるのは、廃墟みたいな建物だけでしょ?」
——残念ながら、そうとは言い切れません。 管理不全空家の判断基準は、外観や建物の状態から確認できる「管理の不備」です。
なお、最終的な判断は外観の状況や周辺への影響なども踏まえたうえで、自治体が総合的に行います。行政が巡回・調査する際に確認するポイントは、おおよそ以下のようなものです。
⚠注意すべきは「1〜2年放置しただけでもこの状態になりうる」という点です。 特に木造住宅は、人が住まなくなった途端に老朽化が加速します。通気・換気がされなくなり、雨漏りが放置され、気づいたときには外観が大きく損なわれているケースも少なくありません。
(写真提供:マークスライフ株式会社)
「管理不全空家」に指定されたら、何が起きる?
指定から勧告、そして課税強化までの流れを整理します。
① 行政による調査市区町村が巡回調査を行い、管理不全の状態と判断されると、所有者へ助言・指導が行われます。
② 勧告
助言・指導に従わない場合、正式に「管理不全空家」として勧告が出されます。
③ 固定資産税の優遇撤廃(=最大6倍の増税の可能性)
ここが最大のポイントです。通常、住宅が建っている土地は「住宅用地特例」により、固定資産税が最大6分の1に軽減されています。しかし管理不全空家として勧告を受けると、この特例が適用除外となり、土地の固定資産税の課税標準が6倍になります。結果として、税負担が最大6倍※になるケースがあるのです。
※この6倍という数字は、200㎡以下の小規模宅地部分に適用される住宅用地特例(課税標準を6分の1に軽減)が外れた場合の最大値です。正確には固定資産税の課税標準が最大6倍になるという意味で、税額が単純に6倍になるわけではありません。物件の状況により異なりますので、詳細は各市区町村窓口にご確認ください。
わが家の空家は大丈夫?管理状態セルフチェックリスト
以下の項目で、1つでも当てはまる場合は要注意です。早めの対処をおすすめします。
(参考:国土交通省「空き家管理チェックリスト」)
空家をどうするか?主な選択肢と、それぞれのリアル
チェックリストで「要注意」に気づいた方、あるいはすでに行政から通知が届いている方に、ぜひ知っておいてほしいことがあります。空家の対処法は「管理を続ける」だけではありません。以下のような選択肢もあります。
① 売却する
最もシンプルな解決策です。建物の状態が古くても、土地値で売れるケースや、リノベーションを前提とした買い手がつくケースもあります。「どうせ売れない」と諦める前に、一度査定だけでも受けてみる価値があります。
② 賃貸に出す
空家を収益化しながら、所有し続ける選択肢です。賃貸に出すことで定期的に人の目が入り、建物の維持にもつながります。ただし、リフォーム費用や管理負担も生じるため、収支シミュレーションが欠かせません。
③ 解体して土地活用する
老朽化が進んでいる場合、建物を解体して更地にし、駐車場や売却用地として活用する方法もあります。ただし、更地になると住宅用地特例が適用されないため、解体前と比較して固定資産税が増加します。一方、管理不全空家として勧告を受けている場合は、すでに特例が外れているケースもあるため、解体による税額変化は個別に確認することをお勧めします。
どの選択肢が最適かは、建物の状態・立地・相続関係・資金状況によって大きく異なります。「何から手をつければいいかわからない」という方がほとんどです。それは当然のことで、空家の問題は不動産・法律・税務が複雑に絡み合っているからです。
一人で抱え込む前に、お気軽にご相談ください
自分で管理できるうちはよいのですが、遠方に住んでいる・仕事が忙しい・体力的に難しい
そういった事情を抱えている方も多いはずです。また、「売りたいけど手続きが複雑そう」「貸したいけどどこに相談すれば?」という声もよく聞きます。
ご相談は無料ですので、一人で抱え込む前に、ぜひお気軽にご相談ください。

※ご希望がない限り、こちらから営業のお電話をすることはありません。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的・税務的助言を提供するものではありません。具体的な状況については、専門家や各自治体にご相談ください。







