葬儀に関するコラム
お葬式の知識やマナー、宗派や喪主のこと、
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マナーのコラム一覧
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マナー 喪服のマナー
遺族と会葬者では着用する喪服は同じでいいのか、立場によって異なるのか。迷うことが多い喪服のマナーについて、それぞれの立場、その時々の状況にあった服装についてご紹介します。 【もくじ】 1.喪服は原則として故人に近い順に格式がある 2.不幸を知らされてすぐの弔問の場合 3.喪服は本来、遺族や喪家側が着用するもの 4.喪服に対する考え方の変化 5.喪服の基本 6.数珠 1.喪服は原則として故人に近い順に格式がある 喪服はもともと、服喪をする近親者が着用するもので、故人に近い順に服装の格式が決められていました。 しかし大正時代を過ぎると、上は黒無地紋付、下着は白で、男女とも重ね着はしなくなりました。これは悲しみごとが重ならないように、という考えから出たものです。 明治維新後に西洋のブラックフォーマルにならい、男性が黒のモーニングか黒の五つ紋に羽織、袴。 女性は黒のアフタヌーンドレスか黒羽二重、黒の袋帯や名古屋帯が一般的になりましたが、最近ではブラックスーツや女性はワンピースなどの略礼服の着用が一般的になりました。 2.不幸を知らされてすぐの弔問の場合 急な知らせで駆けつけるわけですから、普段の服装を着用した地味な格好で構いません。 このときに正式な喪服を着て出かけたりしないことです。供え物や香典もこのときは持参せず、通夜の時かそれ以降にします。 3.喪服は本来、遺族や喪家側が着用するもの 今日では、誰もが一般的に黒い喪服を着用しますが、本来は服喪をする遺族側の服装です。 一般の会葬者は黒に特別にこだわる必要はなく、黒以外の紺やグレーの地味な服装でも差し支えないとされています。 しかし、最近はほとんどの方が喪服で参列しますので、通夜・葬儀に参列する際には喪服を着用しておくのが無難です。 4.服に対する考え方の変化 弔問は人の死を悲しみ、心からの冥福を祈るものです。華美な服装は避け、化粧を控え、結婚指輪以外の装身具は身につけないとされてきました。 しかし最近、「さみしい葬儀にしないでおしゃれをしてほしい」と遺言する人もいます。1993年に亡くなられた作家の森瑤子さんも、そのように言い残していたということです。 生前の活躍に心から敬意を払い、死に対しての悲しみと冥福を祈る気持がこもっていれば、原則をふまえて、その人なりの服喪と喪服を選ぶ時代が始まっているようです。 5.喪服の基本 喪主ならびに遺族の男性は黒の羽織・袴またはモーニング、女性は黒無地五つ紋と言われていましたが、近年では喪主・遺族・親族・会葬者の全員が以下のような略礼服を着用することが主流になっています。 男性 ブラックスーツ・黒のネクタイ・白無地のシャツを着用します。靴やベルトも黒の物を着用し、極力金属製の飾りが少ない物を選びましょう。 光沢がある素材は避けてください。ネクタイピンやカフスなどの装飾品も着けません。 女性 和装は染め抜き五つ紋の黒無地です。足袋は白で、帯留めや髪飾りは着けません。 洋装の場合はワンピース・アンサンブル・スーツなどブラックフォーマルを着用します。 バックは光沢のない黒の物で、金属製の飾りなどが付いていない物を使用します。 結婚指輪以外のアクセサリーは外しますが、着けるのであれば真珠の一連ネックレスもしくはイヤリングのどちらかにしましょう。 お子様 制服がある場合には制服が正装になります。 制服が無い場合には、地味な色合いの洋服であれば問題ありませんが、キャラクタープリントや柄の有る洋服は避けた方が無難です。 靴も黒が無ければ白やグレーなどの物で良いですが、光沢のある素材は控えた方が良いでしょう。 6.数珠 数珠は念珠ともいいます。故人を合掌し、拝むときに必要とする法具です。 珠の数は108つが基本です。この数は大みそかの除夜の鐘と同じで、数珠を繰りながら108つの煩悩を断つことを意味しています。 葬儀や法事の時、特に数珠を持たなくてもよいのですが故人の冥福を祈るに際し、数珠を持つと心が落ち着くようです。 数珠の数は宗派によって異なります。108つのほかに半分の54、4分の1の27、または108つの3分の1の36があります。 目次に戻る
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マナー 弔問時のマナー
突然の訃報に悲しみながら弔問に伺うものですが、そんな時にもやはりマナーは存在します。悲しみに包まれ、不安な気持ちを抱えている遺族を不快にさせないためにもしっかりとした弔問時のマナーを身に付けておきましょう。 【もくじ】 ・葬儀前の弔問では ・通夜・葬儀・告別式のときの弔問では ・弔電を打つとき ・弔問のときのお悔やみ言葉 葬儀前の弔問では 弔問に出かけたときのお悔やみは、遺族の気持ちを思いやって手短に述べます。遺体が安置されている部屋に通されたら、枕元に両手をついて一礼し合掌します。弔問客が立て込んでいるときは長居は禁物です。お線香をあげたら引き上げましょう。 通夜・葬儀・告別式のときの弔問では 受付で香典を渡し、記帳を済ませたら係員の指示に従い席に着きます。霊前では、一礼してから焼香をします。タイミングが合えばお悔やみを述べ、家族を慰めるのも良いですが、長話しになったり大声で話すのは慎しむようにしましょう。また、遺族に挨拶をするために通夜の終了時まで残ると遺族に負担をかける場合もありますので、参列者が多い場合などは状況に配慮する必要があります。 弔電を打つとき 遠方に住んでいて通夜や葬儀に出席できない場合は弔電を打つと良いでしょう。弔電は各社のホームページから例文が選べますが、それだけではなく故人との関係をしのばせる言葉も入れると遺族にとってもうれしいものです。 送り先は喪主宛とし、差出人はフルネームにします。また、喪家と特に親しい間柄であった場合は後日、慰めと励ましの手紙を出しましょう。 弔問のときのお悔やみ言葉 一般的なお悔やみの言葉 「ご冥福をお祈りいたします」という言葉がありますが、これは「冥途」と「福=幸」を合わせた言葉で、あの世でも幸せになってほしいという意味があります。 以下は、代表的なお悔やみの言葉です。状況に合わせ、ご自身の気持ちも込めて遺族に伝えしましょう。 ・このたびは、誠にご愁傷さまでございます。 ・謹しんでお悔やみ申し上げます。 ・突然のことで、お悔やみの申し上げようもありません。 弔事のときの忌み言葉 弔事のときには「たびたび」「かさねがさね」などの重ね言葉や、繰り返し言葉は避けます。 また、「生きている間」という言葉は「お元気であったころ」などというように、表現も直接的ではない言い回しをしましょう。
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マナー 忌中(きちゅう)と喪中(もちゅう)について
人が亡くなり葬儀を終えた後も、遺族には「忌中」や「喪中」、「満中陰」などのしきたりがあります。よく耳にする言葉ですが、実際はどのようなものなので、何をしたら良いのでしょうか。ここでは基本的なことをご説明します。【もくじ】 ・忌日と満中陰 ・喪中の期間と範囲 忌日と満中陰 仏教では故人が亡くなった日を命日や忌日(きにち/きじつ)といい、四十九日を満中陰(まんちゅういん)といいます。故人の魂は、死後七週にわたって「生」とも「死」ともつかない「中有(ちゅうう)・中陰(ちゅういん)」の状態に置かれ、この間、故人の魂は荒魂、つまり死という新しい環境に初めて入ったばかりの不安と緊張と動揺の中で、非常に不安定な状態になっています。そのため、適切な世話と指導が不可欠になり、遺族は故人の魂の世話に専念する特別猶予を社会から与えられます。それが「忌中」です。七日参り毎に、故人の冥福を祈るとともに、遺族も故人への執着を徐々に絶ちながら悲嘆を軽減していきます。 喪中の期間と範囲 「喪に服す」との言葉がありますが、かつては家族や親戚を失った遺族が悲しみや悲嘆から立ち直るために一定期間を喪中と定め、それを公にしていました。これは明治時代の太政官布告によるもので、昭和22年には撤廃されていますが、その時の慣習が今日まで残っています。それによると「父母と夫」を亡くした場合の喪中の期間が最も長く、1年間(13か月)とされています。「妻や子」は90日、「父方の祖父母」は150日、「母方の祖父母」は90日などとされていました。今日では社会生活の変化や、世代によっても意識に差がありますが、親等で関係性を見ると「夫・妻:0親等」、「父母・配偶者の父母・子供:1親等」、「自分の兄弟姉妹・兄弟姉妹の配偶者・祖父母・孫・配偶者の兄弟姉妹・兄弟姉妹の配偶者・配偶者の祖父母:2親等」となり、一般的には2親等までを喪中とすることが多いようです。 身内に不幸があった際には喪中はがきを出しますが、2親等はあくまでも目安とし、故人との関係の深さや同居の有無を考慮して判断します。また、送り先についてもこれまでのお付き合いや相手との関係性によって判断します。 年賀欠礼状(喪中はがき) 喪中は年賀状を出さないのがしきたりです。毎年出している相手には、12月10日ごろまでに届くように「年賀欠礼」のあいさつ状を出します。 最近は、故人との関係が2親等以上(祖父母・兄弟姉妹・孫)で別所帯の場合は、例年通りに年賀状を出すこともあるようです。「年賀欠礼状」を出さずに年賀状を受け取った場合は、寒中見舞いを兼ねて喪中であることを書き添えます。 見本パターン① 見本パターン②
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マナー 通夜ぶるまいと弔問客のマナー
通夜の後、弔問客に振る舞われる食事のことを「通夜ぶるまい」と言います。喪家が用意をしてくれた場をどのように過ごしたら良いのでしょうか。 【もくじ】・通夜ぶるまいとは ・通夜ぶるまいを勧められたら ・通夜ぶるまいでの弔問客のマナー 通夜ぶるまいとは かつては死者の出た家での飲食はタブーとされていました。しかし、神道の直会(なおらい/神前に供えた食べ物や酒を出席者全員でいただく風習)が取り入れられて、今日の形になったといわれています。通夜ぶるまいのときは仕出しなどを取って利用するのが一般的です。通夜ぶるまいは地域色の強いしきたりで、首都圏などの地域では慣例になっていますが、その風習が全く無い地域も多くあります。 通夜ぶるまいを勧められたら 読経が終了すると通夜ぶるまいとなります。喪家側から、用意された料理や飲み物を勧められ席に着いたら、程よくいただくのが礼儀です。もし故人や遺族との関係がそれほど親しくなく遠慮すべきだと判断したら失礼しましょう。 通夜ぶるまいでの弔問客のマナー 故人を偲びながらいただくのがマナーとされており、故人との思い出などを話しながら過ごすと良いでしょう。お酒も振舞われますが酔うほど飲むのは厳禁です。長居をするのはご迷惑になることもあるため頃合いを見て引き上げるのがスマートです。故人や遺族と親しくしていた人は終了後に挨拶する場合もありますが、人数が多い場合などには遺族に負担をかけることもあるので状況を見ての配慮が必要です。 ※この記事は首都圏での葬儀における標準的な例です
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マナー 病院へのお見舞い、行っても大丈夫?
入院した方へのお見舞いは、どのタイミングで行くのが良いのでしょうか?相手があることなので自分の予定だけで行くことはもちろん出来ません。この記事では、相手の負担にならないお見舞いの行き方、そして入院した人が退院した際に行うべきことをまとめましたので参考にしてみてください。 【もくじ】 ・お見舞いはいつ行く? ・面会が許されたら時間内で切りあげる ・病気の原因などの話題は避けた方がよい? ・快気祝いとお返し お見舞いはいつ行く? 知人や友人が病気などで入院すると、すぐお見舞いに行ったほうがよいのではないかと思いがちですが、その必要はありません。入院直後の病人の状態は本人にとっても、また、病人を支える家族にとっても大変な時期です。家族に話を聞いてからにするか、とりあえずお見舞いの手紙を出して様子を見ます。落ち着いている様子であったらお見舞いに行っても大丈夫でしょう。最近では、病院は入院患者の病室を教えてくれませんので、事前に家族や本人にお見舞いに行きたい旨を伝え、入院先や病室を確認する必要があります。 面会が許されたら時間内で切り上げる 病院には面会時間が定められています。お見舞いはその時間内であり、できれば午後3時前後の本人も周囲もリラックスできる時間帯が良いでしょう。面会の時間は15分ぐらいを限度にします。入院生活の気分転換になるのであれば、病人の負担にならない程度で話し相手になりたいものです。 病気の原因などの話題は避けた方がよい? 病人と話をするとき、病状については「具合はいかがですか?1日も早くまた一緒に〇〇をしましょう」というように病人に希望を持ってもらえる明るい話にします。病気の原因などについては自分から尋ねるようなことはせず、病人が自ら話す場合にはしっかりと聞いてあげましょう。 快気祝いとお返し 快気祝いは、無事に退院したときにお見舞いのお礼としてお返しするものです。お見舞いの品やお見舞い金をいただいた場合は、内祝いの品を贈ります。金額としてはいただいた「お見舞い」の半額ぐらいを目安にし、退院後1週間から10日の間に行います。快気祝いの品には「快気祝」と書いた熨斗紙を付けます。水引は、祝いごとの紅白に、病気やケガを繰り返さないように結び切のものを使用します。 品物を贈る以外に親類や親しい友人たちを自宅などに招いて内祝いをすることもあります。また、お見舞いのお礼と退院の報告は自筆で礼状を書いて送ると良いでしょう。