通夜や葬儀・告別式に参列する際の男性の服装とみだしなみ。持ち物も併せて紹介
2023年12月19日更新。
通夜や葬儀・告別式に参列する際には、故人様への弔意を示して、遺族に対して失礼でない服装と持ち物を選ばなければなりません。
今回は、通夜や葬儀・告別式に参列する際の男性の服装とみだしなみ、持ち物について紹介します。
女性の服装に引き続き、今回も全国儀式サービスのご契約団体であるAOKI様にご協力いただき、記事を監修していただきました。
<本記事の監修>
株式会社AOKI商品部 様
【もくじ】1.一般会葬者(男性)の喪服1-1基本的な考え方1-2通夜の場合1-3葬儀・告別式の場合2.一般会葬者(男性)の服装全体2-1基本的な考え方2-2喪服と一緒に身に着けるもの2-3小物類2-4髪型・ひげの身だしなみ3.これから準備する場合3-1準備するもの一覧3-2レンタル3-3購入3-4喪服の選び方4.まとめ:マナーを守って身だしなみも整えて臨みましょう |
1.一般会葬者(男性)の喪服
1-1基本的な考え方
通夜、葬儀・告別式では「喪服」を着用します。
喪服には格式があり、高い順に「正喪服」「準喪服」「略式喪服」と3種類あります。
一般会葬者は、通夜においても、葬儀・告別式においても、遺族より格式の低い喪服を着て参列します。
そのため、通夜では「略喪服」または「準喪服」、葬儀・告別式では「準喪服」を着るのがマナーです。
<正喪服>
着用するのは喪主と遺族です。
洋装は「モーニングコート」で、和装は「紋付き袴」です。
通夜、葬儀・告別式の他、法要でも着用します。
<準喪服>
親族や一般会葬者が着用します。
洋装が基本です。ブラックスーツ(ブラックフォーマルスーツ)と呼ばれる、ツヤの無い黒い無地の生地で出来た、冠婚葬祭用のスーツとなります。
黒のビジネススーツではないので、注意しましょう。
葬儀・告別式だけでなく、一周忌の法要で着用します。最近では通夜でも着用されるようになっています。
<略喪服>
一般会葬者が着用します。
洋装で、ダークスーツとなります。
ダークスーツは、ブラックやダークネイビー、チャコールグレーなど暗い色合いのスーツの総称で、ビジネスシーンでも着用されるものです。
通夜や三回忌以降の法要で着用します。
<補足:ブラックスーツとビジネススーツの違い>
用途が異なるため、それが生地に表れています。
ブラックスーツ(ブラックフォーマルスーツ)は、冠婚葬祭で着用するため、「黒色がより濃い・光沢を抑えている・上質感がある」ことが特長です。
そのため素材にウール(またはシルクを混合したもの)が使われ、黒色についても深い黒色になるように何度も染めていきます。
一方、ビジネススーツは機能性が重視されるため、ウールに加えて、ポリエステルとの混合素材が使われることも多くあります。
1-2通夜の場合
参列者は通夜では準備していたように思われるのを避けるため、略喪服で参列するのが一般的です。
ただし、故人が亡くなってから通夜まで日数が経過している場合は準喪服を着用のうえ参列しましょう。
1-3葬儀・告別式の場合
一般的な喪服(準喪服)を着用します。
家族葬のように限られた参列者で営まれる葬儀でも準喪服を着用するようにします。
<補足:喪家から指定があった場合>
お別れの会や自由葬などの場合に、「平服でお越しください」と案内があった時は、喪家の意向に合わせます。準喪服ではなく、平服(略喪服)を着用します。
もくじに戻る
2.一般会葬者(男性)の服装全体
2-1基本的な考え方
<全身を黒で統一>
具体的には、喪服を着用して、ネクタイ、ベルト、靴下、靴も全て黒色です。
<持ち物が多い時はバッグを持参>
ハンカチや数珠などはポケットに入れるのが基本です。
そのうえで、持ち物がポケットに入りきらなければ黒のバッグに入れて持参します。
2-2喪服と一緒に身に着けるもの
<シャツ>
ワイシャツは無地の白を着用しましょう。織り柄入りやカラーステッチ・カラーボタンなどの装飾的なデザインのワイシャツは避けてください。
襟はレギュラーカラーかワイドカラーを選びます。ボタンダウンの襟は、カジュアルな印象になるので避けたほうが無難です。
ベストはもともとお洒落のために着用するものであることから、参列者は着用しません。
<ネクタイ>
葬儀の際のネクタイは黒です。シャツと同様に織り柄のデザインは避けて、弔事用の無地で黒いネクタイを締めてください。
タイピンはアクセサリーに分類されるため付けないようにします。
<ベルト>
ベルトもネクタイ同様、黒にします。
牛革もしくは合皮のものを選びます。
クロコダイルやオーストリッチなど華美・動物の殺生を連想させる革製品は、葬儀には適さないため避けましょう。
金具部分は、黒の革で巻いたものか光沢を抑えたシルバーのものがふさわしいです。
<靴下>
靴下も黒色のものを選びましょう。
また、椅子に腰かけた際に脛が見えない長さにしてください。
スニーカーソックスやショート丈のソックスはマナー違反のため避けてください。
<靴>
黒の革製もしくは合成皮革を選びましょう。
靴の形は「内羽根式」です。紐を結ぶ部分(羽根)の革が靴の内側で縫い付けられているタイプです。
つま先部分のデザインは、シンプルなストレートチップまたはプレーントゥが基本です。
カジュアルな印象を与えるローファーや、華美なデザインのウイングチップは、マナー違反になります。
<コート>
葬儀専用のコートはありませんが、礼装用コートがあります。
格式高いシングル(ボタンが一列のタイプ)の形がおすすめです。
材質はカシミアやウールが良いでしょう。
通年のものを選びたい場合は、ポリエステル等にします。
トレンチコートやダッフルコート、ダウンコートはカジュアル感があるためふさわしくないとされています。
革製のコートは動物の殺生を連想させるためマナー違反となります。
2-3小物類
<バッグ>
基本的に男性はバッグを持ちませんが、持ち物が多くポケットが膨らんでしまう場合にはバッグ持参でもかまいません。
カジュアル感の無い布製や、無地の本革や合成皮革のもので黒いものを選びましょう。
<数珠>
数珠は、所有者のお守り・身代わりになるものと考えられているため、貸し借りはしないようにします。忘れた場合は持たずに参列します。
数珠は宗派によって異なります。
そのため、宗派に関係なく使える略式数珠を持っておくと便利です。
購入する場合は、男性用と女性用があることに注意しておきましょう。
玉の大きさが女性用と異なり、男性用は10-12mm前後の大きさです。
なお、キリスト教や神道、無宗教の葬儀では数珠を持参しません。
<袱紗>
袱紗は香典を持参する際に用いる一枚の布です。香典が汚れるのを防いだり、渡す相手への礼儀として使用します。
弔事用は、紺や緑などの寒色系の袱紗になります。注意しておきましょう。
包み方は、香典の準備について|金額、香典袋の選び方、入れ方、当日の渡し方まで紹介を参考にしてください。
<財布>
財布はポケットに入れておきます。
長財布や大きい財布しか持っていない場合は葬儀用に小さい財布を用意しておくのが好ましいです。
色は黒の無地が良いですが、グレーでもよい場合が多いです。
<指輪>
基本的に、結婚指輪のみとなります。
それ以外は外してください。石付きの指輪も着用を避けましょう。
その他のアクセサリーも外します。ピアスや数珠のブレスレットなども身に付けないようにします。
<時計>
葬儀の時だけ外すのが望ましいです。
付けるのであれば、文字板は白、丸形、バンドは黒色のシンプルな時計にします。
デジタル時計やスマートウォッチ、文字盤に宝石がちりばめられている時計は付けないようにします。
<ハンカチ>
ハンカチは白の無地で、大きさは45~50cmの正方形が基本です。
白以外に、黒、紺、グレーなども許容範囲とされており、カラフルな生地は好ましくありません。
タオル地のハンカチはカジュアルに見えるため使用を控えましょう。
<マスク>
マスクは白、黒がふさわしく、柄入りや飾り付きはカジュアルなためふさわしくありません。
肌色は、遠目に見てマスクをしていないように見えて紛らわしいため着用を避けましょう。
現在、マスクの着用は個人の判断に委ねられていますが、葬儀の参列では礼節を重んじた服装が基本となりますので、1枚持っておき、他の参列者に合わせるのが無難です。
<傘>
葬儀に持っていく傘は黒色がもっともふさわしいです。
持っていない場合は、透明のビニール傘を持参してもマナー違反になりません。
<補足:喪章(もしょう)>
喪章は故人様に弔意を示すために付ける飾りです。黒や黒白のリボンを左胸に、または黒い腕章を左腕に付けるのが一般的です。
ただし、遺族および遺族の関係者が身に着けるものであり、参列者は身に着けません。
2-4髪型・ひげの身だしなみ
<髪型>
髪型は、撫でつけて整えるようにしましょう。また、香りのきつい整髪料は、葬儀では好ましくないため付けないほうがいいです。
基本的には黒髪が好ましいですが、地毛が明るい場合、そのままでも問題ありません。
もし、気になる場合は葬儀の間だけ黒染めしておくと良いでしょう。
<ひげ>
基本的に葬儀ではマナーとして、無精ひげは剃って参列してください。
普段からひげを生やしている方は、通常より清潔感を意識して、きれいに整えてから葬儀に参列しましょう。
もくじに戻る
3.これから準備する場合
3-1準備するもの一覧
必要なものと、状況に応じて用意するものに分けて紹介しております。適宜ご活用ください。
<必要なもの>
□喪服
□シャツ
□ネクタイ
□ベルト
□靴下
□靴
□袱紗
□数珠
□ハンカチ
□財布
<状況に応じて用意するもの>
□バッグ
□マスク
□指輪
□時計
□傘
□コート
3-2レンタル
<必要なものがセットになっている>
◯セットになっていることが多い品目
・喪服
・シャツ
・ネクタイ
・ベルト
・靴下
・靴
働いていると、準備に取り掛かるのが夜遅くになってしまうこともあるでしょう。そのため、時間がない場合はレンタルすると便利です。
<状況に合わせて選択できる>
○夏に参列する場合
通気性の良い素材で出来た夏用の喪服がレンタルできます。
汗かきの人は夏用を選ぶと良いです。
○久しぶりに参列する場合
30~40代は体型を維持するのが難しくなってくる世代です。「手持ちの喪服が着れない」といった場合にも便利です。大きめサイズの喪服もレンタルできます。
<レンタルできるところ>
◯ネット通販
ネット通販では手軽にレンタル可能です。
用意してあるものの種類や支払い方法も幅広くなっているため、利用しやすいです。
◯貸衣装店
貸衣装店は、試着が可能でその日のうちにレンタルできます。
また、レンタルだけでなく、着付けなどにも対応しています。そのため、和装で参列する場合には、貸衣装店がおすすめです。
3-3購入
<仕事の都合に合わせて参列しやすい>
喪服を購入しておくと、通夜でも葬儀・告別式でも参列しやすくなります。
仕事関係で参列する機会も増えてくるため、オールシーズン対応のものを1着持っておくと便利です。
<葬儀の行われる場所に左右されない>
遠方の葬儀に参列する場合に、準備にかかる手間を軽減できます。
親戚が遠くに住んでいる場合や、就職で上京している方などは、喪服を購入しておいた方がスムーズに葬儀に参加できるでしょう。
<すでに持っている方は時々試着しておく>
喪服は着る機会が少ないため、今の自分の体型に合うか時々着て確認しましょう。
必要な際に虫害になっていることもあります。
特にウールやシルクなどの天然繊維は、虫害が多い傾向にあるため、時々タンスから出して確認しましょう。
3-4喪服の選び方
<デザイン>
シングル(ボタンが一列のタイプ)と、ダブル(ボタンが二列のタイプ)があります。
ダブルは年配の方が着る印象があるかもしれませんが、シングルとダブルで格式に違いはありません。
そのため、与えたい印象によって選ぶと良いでしょう。
◯シングル:すっきりとした印象
◯ダブル:貫禄のある印象
<黒の色の濃さ>
黒が濃くなるほど上質とされ、フォーマル度も高くなっていきます。
上質な生地になる(喪服の金額が上がる)につれて、黒が深く、きめも細かくなります。
<着心地>
葬儀に参列するため、疲れにくいものが良いでしょう。
○肌触りが良い
○動きやすい
○軽い
○体型の変化に合わせやすい
<サイズ>
「身長区分」と「体型区分」の組み合わせで表示されていることが多いです。
あらかじめ確認しておくと安心です。
○身長区分
155cm~160cm:3
160cm~165cm:4
165cm~170cm:5
170cm~175cm:6
175cm~180cm:7
180cm~185cm:8
185cm~190cm:9
○体型区分
胸囲と胴囲の差で区分しています。
16cm:Y体 細身の体型
12cm:A体 標準の体型
10cm:AB体 ややゆとりのある体型
6cm:BB体 ゆとりのある体型
0cm:E体 全体的に大きい体型
最近は、上図のように身長とウエストのみで目安が分かる一覧表を掲載するメーカー・販売店もあります。
<おすすめサイト>
本記事を監修していただいているAOKI様のウェブサイトでは、初めての方でも安心して選べるページが用意されています。ぜひ参考にしてみてください。
あなたにぴったりのフォーマルスーツの選び方
https://www.aoki-style.com/feature/choice-formal/
もくじに戻る
4.まとめ:マナーを守って身だしなみも整えて臨みましょう
一般会葬者として参列する場合は、以下の通りです。
<喪服>
通夜では「略喪服」または「準喪服」
葬儀・告別式では「準喪服」
を着ます。
<服装全体>
ネクタイ、ベルト、靴下、靴も全て黒色で統一します。
持ち物が多すぎてポケットに入らない場合は、黒のバッグに入れて持っていきます。
<身だしなみ>
髪型やひげ(普段から生やしている方)は、通常よりも清潔感を意識して整えます。
<おすすめサイト>
本記事監修のAOKI様のウェブサイト
「あなたにぴったりのフォーマルスーツの選び方」
https://www.aoki-style.com/feature/choice-formal/
故人様に弔意を示すと共に、喪主と遺族に対して失礼のない格好で参列することが大切です。
24時間365日、葬儀のご依頼・ご相談を受け付けております。
早朝・深夜、祝日・連休・年末年始も、気兼ねなくご連絡ください。
全国儀式サービス コールセンター
■お電話
0120-491-499
(通話料・相談料・紹介料、無料)
■メール
お問い合わせページから相談する