家族葬のイメージ

2024年1月23日更新。

言葉として定着した家族葬ですが、実際に検討しようとすると、明確な規定などがほとんど無くて判断するのに困ったという話をよく聞きます。


○家族葬は、どんな葬儀?
○家族葬にメリットやデメリットはある?
○家族葬に呼ぶ範囲はどこまで?
○家族葬を行う際に気を付けておく点は?
○費用の内訳はどうなっているの?

この記事では上記のような家族葬に関する疑問にお答えしていきます。


家族葬について、より具体的なイメージを掴んでいただければと思います。

 
 
 
 
【もくじ】
1.家族葬とは
 1-1家族葬の意味
 1-2一般葬や直葬との違い
 
2.家族葬を選ぶ理由
 
3.家族葬のメリット
 3-1ゆっくりお別れできる
 3-2葬儀費用を抑えられる
 3-3自由な形式で行える
 
4.家族葬のデメリット
 4-1呼ばなかった親族への対応が必要
 4-2呼ばなかった知人友人への対応が必要
 4-3実費が増える場合もある
 
5.家族葬に呼ぶ人の範囲
 5-1「家族」について検討する
 5-2「親族」について検討する
 5-3「知人・友人」について検討する
 
6.家族葬の流れ
 
7.家族葬の流れにおける注意点
 7-1事前に参列をお断りする際の対応
 7-2家族葬当日の対応
 7-3参列していない方への葬儀後の対応
 
8.家族葬の費用
 8-1家族葬の費用の内訳
 8-2家族葬の費用が大きく変わる要因
 8-3事前見積がおすすめ
 
9.まとめ
 
 
 
 

1.家族葬とは

 

1-1家族葬の意味

家族葬は、「家族を中心とした親しい人だけで行う小規模な葬儀」のことを指して言います。

参列者をごく身近な範囲かつ少人数に限定することにより、故人様とアットホームにお別れすることを想定とした葬儀の形式です。


一方で、「家族」には法律上の定義がありません。類似の言葉である「親戚」「親類」「身内」も同様です。

そのため、実は「家族葬」には定義がなく、人によって捉え方が変わるのが実状です。

ちなみにインターネット等でよく見かける家族葬プランは、遺族を含む参列者数を目安に設定している場合が多いです。

 
 
 
 

1-2一般葬や直葬との違い

<家族葬と一般葬の違い>

葬儀に呼ぶ人の範囲が異なります。
参列してほしい方を「限定」するかどうかとも言えます。

○家族葬
家族・親族を中心に限定。
少人数になる場合が多いです。


○一般葬
家族、親族、故人様の知人友人、近所の人など。参列者を限定しない。
大人数になる場合が多いです。

 
 
 
<家族葬と直葬の違い>

宗教的な儀式の有無で異なります。

○家族葬
宗教的な儀式を行います。
日程により、二日葬・一日葬に分けられます。

二日葬は「通夜」と「葬儀・告別式」の両方を行います。
一日葬は「葬儀・告別式」のみを行います。


○直葬(火葬式)
火葬のみで弔います。
宗教的儀式を行わないため、一般的には、家族葬とは呼ばれていません。

 
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2.家族葬を選ぶ理由

以下のような理由が主に挙げられます。
○家族だけでお別れしたいため
○故人様の生前の遺志のため
○葬儀に呼びたい人が少ないため
○葬儀費用を抑えたいため

 
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3.家族葬のメリット

一般葬に比べて参列者が少ないことにより、3つのメリットが挙げられます。

 

3-1ゆっくりお別れできる

参列者に対応する時間や負担を減らすことができます。

減ったその分だけ、故人様に寄り添うことに、時間や気力・体力を充てることができます。

 
 
 
 

3-2葬儀費用を抑えられる

参列者に振る舞う料理(通夜振る舞いや精進落とし)や会葬返礼品・香典返しの数が少なくて済みます。
式場も少人数にあった広さで済みます。

結果として、費用を抑えられる傾向にあります。

 
 
 
 

3-3自由な形式で行える

限られた参列者だけで葬儀を行うため、シンプルで自由な形式を採りやすい特長があります。

その最たる例が無宗教葬です。決まった式次第がないため、自由に企画することができます。
生前に好きだった音楽を流したり、生前の趣味に合わせて祭壇や式場を飾ったりと、様々です。

 
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4.家族葬のデメリット

葬儀に呼ぶ人の範囲を制限することにより、大きく3つのデメリットが生じる恐れがあります。

 
 

4-1呼ばなかった親族への対応が必要

呼ばなかった親族には、理由などをきちんと説明する必要があります。

それを怠ると、後日、呼ばなかった理由を問いただされることが起こり得ます。
場合によっては非難を受けて、今後の親戚付き合いに影響がおよぶ恐れがあります。

実際に仏教では、葬儀後も命日が来るたびに法要を行っていくことになります。
親族の呼ぶ範囲を狭めすぎると、その都度、呼ぶかどうかの判断をしなければならないので、注意が必要です。

 
 
 
 

4-2呼ばなかった知人・友人への対応が必要

呼ばなかった友人・知人は、後日弔問に訪れることになります。
また弔問の様子を見た近所の方も、訪れるかもしれません。

そうすると、弔問の度に対応に追われて、遺族の精神的・肉体的な負担が増えてしまいます。

本来であれば葬儀の時の対応(1~2日)で済んだことが、断続的に何日も続きます。
この負担は体験した遺族にしか分からないと、よく言われます。

そのため、故人様の知人・友人についても、生前のお付き合いの状況について把握した上で、呼ぶ範囲を決めることができると安心です。
結果として、一般葬になるかもしれません。

 
 
 
 

4-3実費が増える場合もある

参列者からの香典が少なくなるため、遺族の持ち出しが増えます。

結果的に、葬儀の内容によっては、実質的な費用負担が一般葬と変わらないことも考えられます。

 
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5.家族葬に呼ぶ人の範囲

範囲に決まりはありませんが、
○家族・親族のみ
○家族・親族+少人数の知人・友人
となることが一般的です。

またインターネット等で見かける葬儀社の家族葬プランでは、参列者数を10~30名を目安に設定している場合が多いようです。


上記を踏まえ、家族葬に呼ぶ人の範囲について、3つの観点から検討しましょう。

①家族
②親族
③故人様の知人・友人

結果的に①②のみで少人数に収まるようであれば、家族葬が適切だと思います。
③が含まれるようであれば、一般葬を検討しても良いかもしれません。

 
 

5-1「家族」について検討する

<故人様の家族>

○故人様の配偶者
○故人様の子供(と配偶者)
○故人様の孫(と配偶者)
など

 
 
 
 

5-2「親族」について検討する

<特に検討しておきたい親族>

○普段から付き合いのある親族
○付き合いはないが血縁の近い親族
○法要に呼ぶ予定の親族

仏教の場合、葬儀後も、故人様の命日に合わせて法要(一周忌、三回忌など)を行うのが一般的です。

葬儀の時に親族を制限しすぎると、法要を行う度に検討しなければならないので注意しましょう。

 
 
 
 

5-3「知人・友人」について検討する

<特に検討しておきたい故人様の友人・知人>

○仕事や趣味でつながりのあった人
○ご近所で付き合いがあった人
○手紙のやり取りがあった人
○病院や介護関係でお世話になった職員

意外に気づきにくいのが、介護関係です。
施設に入っていない場合でも、在宅介護でデイサービスや介護用品を利用していると、ケアマネジャーを始め、顔見知りになる職員が多くいます(弊社社員の経験談)。

 
 
 
<親と離れて暮らしている方は特に注意>

故人様の近所で付き合いのある人が、実際には多くいます。
地方に行くほど、近所の結び付きが顕著になっていく傾向にあります。

このことは、離れて暮らしていると分かりにくいのが実状です。
現実的に帰省できるのは、お盆や年末年始などになってしまい、特別な時期の数日間で、それを知るのは難しいからです。

 
 
 
<知人・友人が多く見込まれる場合>

一般葬で行った方が良いかもしれません。

全国儀式サービスでは、担当の葬儀社が、遺族のお話を伺った上で、状況に応じて一般葬をご提案することもあります。
臨機応変に対応できることが特長です。

 
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6.家族葬の流れ

 

基本的には一般葬と同じです。
一例を紹介します。

 
<お亡くなり当日>

○ご臨終
○故人様を病院から安置施設へ搬送
○故人様を安置
○葬儀社と打合せ

 
<2日目>

○納棺
○通夜 ※1

 
<3日目>

○葬儀・告別式 ※2
○出棺
○火葬 ※3
○精進落とし
○帰宅後、遺骨を安置

 
 

※1:一日葬で行う場合は、通夜が省略されます。

 

※2:葬儀・告別式の式次第も、基本的には一般葬と同じですが、家族葬はシンプルで自由な形式を取りやすいため、遺族の意向次第で変わります。

 

※3:地域・状況によって、火葬や精進落としの順番が異なる場合があります。

 
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7.家族葬の流れにおける注意点

 

7-1事前に参列をお断りする際の対応

亡くなったことを直接知らせていなくても、何処かから伝わってしまうのが現実です。
知った方が参列するために、斎場へ訪れることもあります。

そのため、家族葬を行う際には、連絡に気を使って進めると安心です。
具体的には、2つの段階で、きちんと意思を伝えることが大切です。

 
①葬儀社との打合せ時
②家族葬のご案内をする時
 
 
①葬儀社との打合せ時
<葬儀社に家族葬で行うことを伝える>

葬儀社は上手く進める方法を心得ているので、訃報の連絡から葬儀の準備に至るまで、より実践的なアドバイスをしてくれます。

また弔電・供花・香典についても辞退する場合は、そのことも葬儀社に伝えましょう。

弔電や供花は、葬儀社宛てにお問い合わせの連絡があった際に、波風を立てないよう上手く断ってくれます。

香典についても、当日の受付がスムーズに進むよう調整してくれます。

 
 
 
 
②家族葬のご案内をする時
<参列してほしい方だけに連絡する>

基本は電話で行います。

連絡の際には、
○家族葬で行う
○参列してほしい人だけに連絡している
ことをきちんと伝えます。

供花や香典を辞退する場合は、その旨も伝えましょう。

 
 
 
<遺族の勤務先・通学先に意思を伝える>

こちらも基本は電話で行います。

連絡の際には、
○家族葬で行うため、参列をお断りする
ことをきちんと伝えます。

弔電や供花、香典を辞退する場合は、その旨も伝えましょう。

 
 
 
<遺族間で意思を統一しておく>

葬儀のご案内をした時に、不都合が生じないよう、対応について共有しておくことが大切です。

例えば
喪主である長男は会社関係からの参列を辞退したが、次男は普通にご案内したため、「家族葬」にもかかわらず次男の会社関係者が多く参列したケースもあります。

 
 
 
 

7-2家族葬当日の対応

①呼んでいない方が来ることを想定する

呼んでいない方が来ることは、実際によくあります。
そういう場合に上手く対応できないと、恥をかくことになります。
また、人間関係のトラブルになる恐れもあります。

前段で「葬儀社との打合せ時に、家族葬で行う旨を伝えましょう」と言ったのは、このためです。
葬儀社との打合せの段階で、手筈を整えておきます。

 
 
 
②具体的に準備しておくこと

主な準備としては、以下の3つです。

○受付ブースを設ける
受付台・受付台帳・筆記用具などを用意します。

○会葬のお礼を多めに用意する
会葬礼状・会葬返礼品を多めに用意します。

○通夜振る舞いの料理を多めに用意する
通夜を行う場合に用意します。
地域によっては、通夜の後に飲食のおもてなしを行わないところもあります。

 
 

インターネット等で見かける葬儀社の家族葬プランには、会葬返礼品や通夜振る舞いが含まれていない場合が多いようです。

追加品目として依頼する必要が出てくるかもしれないので、念のため、依頼前に確認しておきましょう。

全国儀式サービスでは、担当の葬儀社がお打合せ時に遺族のお話を伺った上で準備するため、その点で安心です。

 
 
 
 

7-3参列していない方への葬儀後の対応

①呼んでいない方への連絡

基本的には、納骨(四十九日の法要)を終えた後に行うようにします。

これには、「納骨後に知らせる≒弔問などを間接的にお断りする」という意味があります。

 
 
 
<はがきで知らせる場合>

○11~12月:喪中はがき
○上記以外:納骨が済んだことを知らせるはがき

 
 
 
<電話で知らせる場合>

納骨を終えた後に電話をかけます。

○いつ誰が亡くなったか
○四十九日の法要及び納骨を済ませたこと
○生前に親しくしていただいたお礼
○故人様または遺族の意思を尊重して家族葬で行ったこと
などを伝えます。

 
 
 
<その他>

故人様の近所など、相手によっては、直接挨拶に伺うようにします。
タイミングは納骨の後です。

 
 
 
 
②弔電をいただいた方への連絡

お礼状で知らせます。
葬儀後1週間くらいを目安に送ります。

○弔電をいただいたことに対するお礼
○葬儀が無事終了したこと
○生前に親しくしていただいたお礼
などを伝えます。

 
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8.家族葬の費用

 

家族葬の規模や内容の具体的なイメージが固まってきたら、予算と差が出ないように費用を確認しておくと安心です。

 
 

8-1家族葬の費用の内訳

一般葬と同様、大きく3つの費用に分けられます。

 
<葬儀関連の費用>

○葬儀に必要な品目
祭壇・お棺・お位牌など

○喪家の判断で変わる品目
霊柩車・供花・湯かんなど

○公営や民営で変わる品目
式場使用料・火葬料など

 
 

火葬料は、自治体によって料金が異なるため、インターネットで見かける葬儀社の家族葬プランには含まれていない場合がほとんどです。

火葬料は、別途、料金を負担しなければならないことを覚えておきましょう。
金額は、自治体のホームページで確認できます。

 
 
 
<飲食接待の費用>

○通夜振る舞いの料理
○精進落としの料理
○会葬返礼品

参列者の人数によって変動することが特徴です。

 
 
 
<寺院関連の費用>

○御布施

信仰の度合いによって変わります。
僧侶に直接お渡しするため、葬儀社の御見積書には通常含まれません。

 
 
 
 

8-2家族葬の費用が大きく変わる要因

大別して3つの要因があります。

<参列者数>

○おもてなしする飲食物の数
○会葬返礼品の数
○式場の広さ
○式場の広さに応じた祭壇
などが費用に影響します。

一般葬と比べて、人数が少なくなるため、費用も抑えられる傾向にあります。

一方で香典の数も少なくなるため、遺族の実費負担の割合が増えるのが特徴です。

 
 
 
<宗教的な儀式の日数>

○2日
通夜、葬儀・告別式を行う(通常の葬儀)
○1日
葬儀・告別式のみ(一日葬)
と、日数の違いが費用に影響します。

その理由は、儀式(の日数)に応じて必要な品目が増えるからです。その分だけ費用も増えます。

 
 
 
<葬儀社の人件費>

○参列者の数に応じたスタッフ数
○宗教的な儀式の日数に応じたスタッフ数
が費用に影響します。

葬儀を行うにあたり必要な人員を配置します。
参列者数・儀式の日数が増えるほど、費用も増えます。

 
 
 
<補足:その他の要因>

○故人様の安置の日数
○故人様の搬送

年末年始などは火葬場が混み合うため、結果的に安置の日数が延びることがあります。
延びた分だけ、故人様の状態を保つための費用(安置施設の使用料やドライアイスの費用)が掛かります。

また故人様の搬送が長距離になる場合は、距離に応じた搬送費用が掛かります。

 
 
 
 

8-3事前見積がおすすめ

8-2家族葬の費用が大きく変わる要因で紹介した通り、ひと口に家族葬と言っても、呼ぶ範囲や地域・状況によって費用が変わります。

またインターネットなどで見かける葬儀社の家族葬プランにおいては、一部の金額分しか含まれていない品目があります。


そのため、費用の認識に違いが出やすいのが実状です。やはり事前に費用を見積もりしておくと安心です。


全国儀式サービスでも随時ご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

 
<全国儀式サービス コールセンター>

お電話:0120-491-499
24時間365日対応

 
<事前見積で伝えること>

○参列するご親族の数
○一般会葬者の数
○宗教・宗派
○菩提寺の有無
○ご希望の斎場

 
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9.まとめ:家族葬の良い面・悪い面を理解し、関係者に配慮して、葬儀を行いましょう

 

家族葬は、その言葉から、家庭的で温かいイメージが先行しがちですが、実際には、定義がありません。

そのため、文字通りの葬儀を行うためにも、メリットとデメリットを踏まえて、具体的に内容を検討しておくと安心です。

特に家族葬に呼ぶ範囲については、十分に検討しておきましょう。
故人様を慕って最期のお別れをしたい方は実際に多くいます。
そのことを理解した上で家族葬を行うようにしましょう。

 
 
<家族葬のメリット>

○ゆっくりお別れできる
○費用を抑えられる
○自由な形式で行える

 
 
<家族葬のデメリット>

○呼ばなかった親族への対応が必要
○呼ばなかった知人友人への対応が必要
○実費が増える

 
 
<家族葬に呼ぶ人の範囲>

3つの観点から検討しましょう。
①家族
②親族
③故人様の知人・友人

 
 
<参列をご案内する方への配慮>

家族葬は参列者を限定して行うため、参列してほしい方および葬儀社に、家族葬で行う旨をきちんと伝えることが大切です。

 
 
<参列をご案内しない方への配慮>

ご案内しなかった方(特に故人様と近い関係だった方)には、納骨後に訃報連絡を忘れずに行うようにしましょう。

ご案内しなかった人が当日参列しても、他の参列者と同様に対応しましょう。
そのためにも葬儀社と打合せの段階から、準備しておくと安心です。

 
 
 

24時間365日、葬儀のご依頼・ご相談を受け付けております。
早朝・深夜、祝日・連休・年末年始も、気兼ねなくご連絡ください。

 

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